マットレスを選ぶとき、140Nや170Nといった数字を見かけませんか。このN(ニュートン)は、マットレスの硬さを数値化したものです。自分に合わない数値を選んでしまうと、腰痛や寝不足の原因になります。
この記事では、ニュートンの正しい意味や体重別の選び方をわかりやすく解説します。自分にぴったりの硬さを知ることで、朝までぐっすり眠れる環境が整います。失敗しないための具体的な基準を見ていきましょう。

マットレスの硬さを表すN(ニュートン)の意味
ニュートンは、マットレス選びで最も大切な指標のひとつです。ウレタンの反発力を表すこの数字を知ることで、客観的に寝心地を判断できます。まずは基本となる測定ルールや、数値と感覚の関係について整理しましょう。
1. ウレタンの反発力を表すJIS規格の単位
ニュートンは、主にウレタンマットレスの「硬さ」を示す単位です。これはJIS規格という日本産業規格に基づいています。数字が大きくなるほど、体を押し返す力が強くなります。
お店や通販サイトで「高反発」と書かれている商品の多くが、この数値を基準にしています。客観的なデータなので、メーカーが違っても比較しやすいのがメリットです。
2. 厚みを40%押し込んだ際にかかる力の測定方法
この数値は、専用の機械でウレタンを押しつぶして測ります。具体的には、元の厚さから40%まで圧縮したときの力を計測します。そのときにかかった圧力をニュートンとして表示する仕組みです。
つまり、実際に寝たときの沈み込み具合を数値化しているといえます。自分の体重を預けたときに、どれくらい支えてくれるかの目安になります。
3. 数値が大きくなるほど硬く感じる仕組み
ニュートンの数値が大きければ大きいほど、反発力が強くなります。反発力が強いと、体が沈み込みにくく「硬い」と感じます。逆に数値が小さいと、ふんわりと沈み込む「柔らかい」質感になります。
硬いマットレスは寝返りが打ちやすいという特徴があります。一方で、柔らかいものは体にフィットする感覚が強くなります。
ニュートンの数値が示す硬さの分類と基準
マットレスの硬さには、国が決めた明確なルールがあります。自分の感覚だけで選ぶと失敗しやすいため、まずは公式な分類を把握しましょう。どの数値から「硬め」とされるのかを知ると、比較がスムーズになります。
1. 消費者庁が定める3つの硬さ区分
日本の消費者庁は、ウレタンマットレスの硬さを3段階に分けています。
| 区分 | ニュートンの範囲 |
| やわらかめ | 75N未満 |
| ふつう | 75N以上 110N未満 |
| かため | 110N以上 |
まずはこの区分を頭に入れておくと、商品選びの土台ができます。
2. 一般的な高反発マットレスで多い140N以上の数値
市販されている高反発マットレスは、140Nから170N前後のものが主流です。これは、日本人の体格においてもしっかり体を支えられる数値だからです。
110Nを超えると「かため」に分類されますが、140N以上はさらにしっかりした支持力があります。腰を沈ませたくない人に向いている数値といえます。
3. メーカー独自の基準とJIS表示の違い
一部の海外メーカーや特殊な素材では、独自の表記を使っている場合があります。しかし、日本で販売されるウレタン製品の多くはJIS表示を併記しています。
カタログやタグをチェックして、必ずニュートン数を確認しましょう。メーカーが「硬め」と宣伝していても、実際の数値を見ると「ふつう」に近いケースがあるからです。
自分の体重に合うニュートン数の選び方
マットレスの最適な硬さは、使う人の体重によって決まります。重い人ほど、沈み込みを防ぐために高い数値が必要になります。自分の体重に合った目安を知って、理想的な寝姿勢を手に入れましょう。
1. 体重50kg以下の痩せ型に適した100N前後の数値
体重が軽い方は、硬すぎるマットレスだと体が浮いてしまいます。50kg以下の方なら、100N前後の「ふつう」から「やや硬め」がちょうど良いです。
体が適度に沈むことで、体圧が分散されます。硬すぎると肩や腰に痛みがでることもあるため、注意が必要です。
2. 体重80kgまでの標準体型が選びたい140Nから170Nの範囲
50kgから80kgの方は、140Nから170Nのマットレスが適しています。この範囲であれば、腰が沈みすぎず、寝返りも楽に打てます。
「GOKUMIN 高反発マットレス」などは180Nの設定が多く、この層に人気があります。標準体型の方にとって、もっとも安定感を得られる硬さです。
3. 体重100kg以上の人が体を支えるために必要な200Nの硬さ
体重が100kgを超える場合は、200N以上の非常に硬いタイプがおすすめです。これくらいの反発力がないと、お尻の部分が底付きしてしまいます。
重い体をしっかりと面で支える力が求められます。体重がある人ほど、数値の高いマットレスを選ぶことで腰への負担を減らせます。
硬さのニュートンと耐久性の密度の違い
「硬いマットレスなら長持ちする」というのは間違いです。硬さと耐久性は、全く別の指標として考える必要があります。長く愛用するために欠かせない「密度(D)」との関係について詳しく解説します。
1. 寝心地を左右するニュートンと寿命を決める密度
ニュートンはあくまで「寝心地」の指標です。一方で、マットレスがどれくらい長持ちするかは「密度(D)」で決まります。密度はウレタンの詰まり具合を表す数字です。
密度が低いと、どんなに硬いマットレスでもすぐにヘタってしまいます。購入時はニュートンだけでなく、密度の数値もセットで確認しましょう。
2. 密度30D以上を選びたい理由とニュートンとの相関
長く使いたいなら、密度は30D以上のものを選んでください。30Dあれば、5年から8年程度は快適に使い続けられるとされています。
140N以上の高反発マットレスには、30D以上の密度が備わっていることが多いです。高品質なモデルは、この2つの数値がバランスよく設計されています。
3. 200Nであっても密度が低いとへたりやすい理由
たとえ200Nの硬いマットレスでも、密度が20D程度だと寿命は短いです。数ヶ月で腰の部分が凹んでしまい、本来の硬さを失ってしまいます。
スカスカのウレタンを無理やり硬くしている商品は、すぐに寝心地が悪くなります。密度の記載がない安価な製品には、十分な注意が必要です。
高反発マットレスを選ぶ際のニュートン目安
高反発マットレスは、寝返りをサポートしてくれるのが最大の特徴です。特に腰痛に悩んでいる方は、数値選びが重要になります。失敗しないための具体的なニュートンの目安を整理しました。
1. 腰痛対策で選ばれる170N以上の支持力
腰痛が気になる方には、170N以上のしっかりした硬さが推奨されます。これくらいの数値があると、寝返りの際に筋肉をあまり使いません。
少ない力で体が動かせるため、腰へのストレスを最小限に抑えられます。「エマ・スリープ」の一部モデルも、高い支持力を意識した多層構造になっています。
2. 140Nのマットレスが標準的な硬さとされる理由
140Nは、多くの日本人が「ちょうど良い硬さ」と感じる数値です。柔らかすぎず硬すぎないため、初めて高反発を買う人にも適しています。
適度なクッション性がありながら、体幹をしっかり支えてくれます。迷ったときは、まず140Nから150Nの範囲を検討するのが正解です。
3. スポーツ選手や筋肉質な人に合う280Nの超硬め設定
筋肉量が多い方や、ガッチリした体格の方には280Nなどの超硬めもあります。体重がそれほど重くなくても、筋肉の反発が強い場合は硬めが合います。
一般的なマットレスでは柔らかすぎると感じる方に向けた特殊な設定です。自分の体格や筋肉量に合わせて、極端な数値を選ぶのもひとつの手です。
低反発マットレスとニュートンの関係性
低反発マットレスは、しっとりと体に馴染む感覚が魅力です。高反発とは数値の傾向が大きく異なるため、比較のポイントを抑えておきましょう。包み込まれるような寝心地を求める人向けの基準を解説します。
1. 低反発で多く見られる100N未満の数値
低反発マットレスの多くは、ニュートン数が100N未満です。なかには40Nから60Nといった、かなり低い数値のものも存在します。
これらは意図的に反発力を抑えて作られています。数値が低いからといって品質が悪いわけではなく、あくまで「柔らかさ」を追求した結果です。
2. 包み込まれる感触を生む低いニュートン値の特性
低いニュートン値は、体圧を分散させる力が非常に高いです。体のラインに合わせて形が変わるため、圧迫感がほとんどありません。
肩こりに悩んでいる方や、横向き寝が多い方にとって、この柔らかさはメリットになります。ただし、沈み込みすぎると寝返りが打ちにくくなる点には留意してください。
3. 低反発でも底付き感が出ないための厚みの重要性
数値が低い低反発マットレスは、厚みが非常に重要です。薄すぎると、柔らかいために床の硬さを直接感じてしまう「底付き」が起きます。
トッパーとして使うなら5cm以上、1枚で使うなら10cm以上の厚みがあるものを選びましょう。低いニュートン数をカバーするには、十分なウレタンのボリュームが必要です。
硬すぎるマットレスで起きる体への負担
「硬ければ硬いほど腰に良い」と思い込むのは危険です。自分にとって硬すぎるマットレスは、逆に健康を損なう恐れがあります。体が発するサインを見逃さないために、硬すぎによるリスクを知っておきましょう。
1. 背中や肩甲骨に圧迫感が出る原因
マットレスが硬すぎると、接している部分にばかり体重がかかります。特に背中や肩甲骨は、骨が出ているため痛みを感じやすい部位です。
朝起きたときに肩や背中がバキバキに凝っているなら、ニュートン数が高すぎる可能性があります。体圧がうまく逃げていない証拠です。
2. 反り腰の人が高いニュートン値で腰を痛める理由
反り腰の方は、腰とマットレスの間に隙間ができやすい体形です。硬いマットレスに寝ると、その隙間が埋まらず、腰が浮いた状態になります。
一晩中腰に力が入ってしまうため、翌朝にひどい腰痛を引き起こします。反り腰自覚があるなら、少し数値を落としてフィット感を優先すべきです。
3. 寝返りの回数が増えて眠りが浅くなる仕組み
硬すぎる表面は痛みを伴うため、無意識に痛みを避けようとして寝返りが必要以上に増えます。寝返りが多すぎると、脳が休まらず睡眠の質が低下します。
「寝たはずなのに疲れが取れない」という状態になりがちです。適切な硬さなら、自然な回数の寝返りで深く眠ることができます。
柔らかすぎるマットレスで腰が痛くなる理由
柔らかいマットレスは、最初は気持ちよく感じます。しかし、長時間寝るとなると話は別です。なぜ柔らかすぎるマットレスが腰痛を招くのか、そのメカニズムを理解して失敗を防ぎましょう。
1. 重い腰部分が沈み込み寝姿勢が崩れる問題
人間の体で一番重いのは腰回りです。柔らかいマットレスでは、この重い部分が深く沈み込んでしまいます。
すると背骨のカーブが崩れ、腰に大きな負担がかかり続けます。これが、柔らかい寝具で腰が痛くなる最大の原因です。
2. 筋力が少ない人が低いニュートン値で感じる寝返りのしにくさ
腹筋や背筋が少ない方は、沈み込んだ状態から体を動かすのが大変です。低いニュートン値のマットレスは、体が埋もれてしまうため、寝返りに大きな力が必要です。
寝返りが打てないと血行が悪くなり、腰の重だるさにつながります。筋力に自信がない人こそ、ある程度の反発力があるものを選ぶべきです。
3. 骨盤が沈んで不自然なW字型になる体への影響
横から見たときに、頭と足が上がり、腰だけが沈む「W字型」の姿勢は危険です。この姿勢は腰椎を圧迫し続け、椎間板へのストレスを高めます。
朝起きたときに腰を伸ばすのが辛いなら、マットレスが柔らかすぎます。もっと高いニュートン数のものに買い替える検討が必要です。
ネット通販で硬さを失敗しないための確認事項
お店で試せないネット通販では、ニュートンの数値が頼みの綱です。しかし、数値だけでは読み取れない情報もあります。失敗のリスクを減らすために、チェックすべき3つのポイントを紹介します。
1. 返品保証があるメーカーのニュートン値の選び方
自分に合う数値がわからないときは、返品保証があるメーカーを選びましょう。例えば「ネルマットレス」などは、一定期間試して合わなければ返品できます。
まずは自分の体重に合った目安の数値を注文してみてください。実際に家で寝てみることで、140Nが自分にとって硬いか柔らかいかがはっきり分かります。
2. 10cm以上の厚みがある場合のニュートン値の見方
厚みがあるマットレスは、複数のウレタン層を重ねていることが多いです。この場合、表記されているニュートン数が「表面」なのか「土台」なのかを確認してください。
表面が柔らかく、土台が硬い多層構造は、寝心地と支持力を両立できます。全体の厚みが10cm以上あれば、数値通りの性能を感じやすくなります。
3. 口コミで「硬め」「柔らかめ」と書かれる数値の傾向
口コミを読むときは、投稿者の体格も一緒にチェックしましょう。170Nの商品に対して「柔らかい」と書いている人は、体重が重い可能性があります。
逆に「硬すぎる」と書いている人は、痩せ型の女性かもしれません。自分と似た体形の人の感想を参考にすることで、数値のイメージがより具体的になります。
寝姿勢や体形で変わる最適なニュートン値
最後に、寝る姿勢や体形による微調整についてお伝えします。体重別の目安を基本にしつつ、個人の癖に合わせることで、さらに満足度が高まります。より細かなカスタマイズ視点で選んでみましょう。
1. 横向き寝が多い人に合う少し低めの数値
横向きで寝る方は、肩が深く沈み込む必要があります。そのため、体重別の目安よりも10Nから20Nほど低めの数値を選ぶと快適です。
硬すぎると肩が圧迫され、腕がしびれる原因になります。横向き中心なら、フィット感のある柔らかめを意識してみてください。
2. 仰向けで安定して眠れる高めのニュートン数
仰向け寝がメインなら、腰をしっかり支える高めの数値が適しています。背骨のS字カーブを維持するために、沈み込みを抑える必要があるからです。
目安通りの数値か、それより少し硬めを選ぶと、朝まで姿勢が崩れず安定します。
3. 凹凸加工があるマットレスで数値以上に柔らかく感じる理由
表面がプロファイル加工(凹凸加工)されているものは、表示のニュートン数より柔らかく感じます。点で見るとウレタンの密度が低くなるため、当たりが優しくなるからです。
170Nの表記でも、凹凸加工があれば140Nくらいの体感になることもあります。加工の有無も、数値と合わせてチェックしたいポイントです。
まとめ
マットレスの硬さを決める「ニュートン」について解説しました。この数値は、単なるカタログ上のデータではなく、あなたの睡眠の質を左右する重要な指標です。
まずは自分の体重を確認し、適切なニュートン数の範囲を絞り込んでみてください。迷ったときは、140Nから170N程度の標準的な高反発モデルから検討するのがおすすめです。密度30D以上のスペックを併せて確認すれば、失敗のない買い物ができます。
次にすべき行動は、今使っている寝具の硬さを調べることです。もし今のマットレスで腰が痛いなら、その商品のニュートン数を基準に、数値を上げるか下げるか判断してみましょう。自分だけの最適な数値が見つかれば、毎日の目覚めが劇的に変わります。